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緑は愛の色-ランカスター公爵夫人の書

青池先生の公式サイトで日本語版が出版されていることを知った、アニヤ・セットン著/佐藤勉訳「緑は愛の色―ランカスター公爵夫人の書 ―キャサリンの愛と苦悩の物語―」(近代文芸社)。
私は、マリア・デ・パデリアやコンスタンシア、ファーヒタのような、女性としての魅力を持ちながらも芯の強い、男前なキャラが好き。
どんな立場におかれても矜持を忘れず、対抗心を持ちながらも相手への尊敬を忘れない。もしくは徹底的な悪役、憎まれ役とか。
この時代の物語を日本語で読めたのは収穫だったと思うけれど、キャサリンにはちっとも共感できず好感も持てなかったので、悶々としながらも読み進めていたものの、これ以上読むのはツライかも…と思った部分がある。ロンドンで暴動が起こり、キャサリンが彼女の領地であるケトルソープへと逃れる決断をしたときの心情。

ジョンはケニルワースの贅沢な生活から彼らの二人の幼児を連れていくことに一時は不快感を示すかもしれないが、子供たちは彼女と同様に明らかに彼に関心を示していないのだから、彼の抗議も形式的なものに過ぎないだろう。彼はフィリッパに対してもエリザベスに対しても自らの義務を怠っているのだから、彼女を非難する理由がないはずだ。

…激萎え。
純粋可憐な少女、貞操な妻、情熱的な恋人、優しい母親、賢い領主…と様々に描写されているのに、キャサリンがどんな女性なのかよくわからなかった。何回か読み込んでみないとわからないだろうけど、もう読むことはない気がする。彼女以外の女性が基本的に容姿も性格も良くは書かれていないのも、主人公独り勝ちって感じでうんざりだった。
「作者の覚書」には、

「キャサリン・スウィンフォードと偉大なるランカスター公爵ジョン・オブ・ゴーントの物語を語る際に私は終始よく知られている歴史的事実以外は利用しないように努力した。そうした事実は十四世紀にはその多くが知れ渡っている。歴史に基づいて物語を書き進めるからには、自分の都合だけで、時、場所、人物を創作しないようにも努めた。」

とあり、

「勿論、物語の進展や動機に私自身の解釈を時には持ち出す必要があった。しかしその場合にもそのことが正当であり、蓋然性があると確信している時である。」

ともある。
一般的に知られていると思われる彼らの関係、歴史的背景とは異なる部分もあり、どこまでが創作なんだろう??と疑問に思いつつ、いや、でもまるっきりの創作でもないらしいしな…と、もやもや。
これを解消するためにもジョン・オブ・ゴーント記を読んでしまわなくては…。
そして…

秋津羽さまの事前情報のおかげで軽くは済んだものの、イサベルの人物描写は衝撃だった…。
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tag : コンスタンシア ジョン・オブ・ゴーント イサベル キャサリン・スウィンフォード

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非公開コメント

私もすっかり更新が滞っております~風邪もひいてしまいましたし…
>イサベルの人物描写は衝撃でした…。
ええー!あんなこととか、こんなこととかですか?<意味不明
是非、ジョン・オブ・ゴーント記を読破なさって、疑問を解決してください!<他力本願

こんな本が出ていたのですね!
さっそく買う本リストに追加しました。
り、立派なお値段ですが…(汗)
ジョン・オブ・ゴーントは魅力的に書かれているのでしょうか?
イサベルちゃんの人物描写も気になります。。

秋津羽さま
暑いと思ったら急に寒くなったりしてましたもんね。お大事にして早く風邪を治してくださいね。
>あんなこととか、こんなこととか
そうなんですよー。
あんなおとことかこんなおとことか←意味不明(笑
アルカサル外伝でジョン・オブ・ゴーントが「イサベルは楽しげな少女」だと言ってましたが、この作品でのヨーク公夫妻は揃って楽しげです(汗

Mlle Cさま
出てたんですねぇ。ちょっと意外でした。
確かに立派なお値段ですよー(涙
海外から取り寄せる時はあまり気にならないのですが、国内で流通している本にこの金額、しかもメインはキャサリンだしな~と、かなり迷いました。
ページ数は600ちょっと、上下2段組で結構読み応えがあるかなーと思ったのですが、思ったほどでもなかったような。ヒロインへの愛のなさゆえでしょうか(笑
>ジョン・オブ・ゴーントは魅力的に書かれているのでしょうか?
公妃が亡くなるまでは完璧なんじゃないでしょうかねー。キャサリンの夫が亡くなったあたりでは頭の中がお花畑になってましたが(笑
Mlle Cさまの感想もうかがいたいのですが、お勧めするほどでもないような…。まだ購入ボタンをポチっとしていなければ送りますよー。

こんにちは
くみぞうさま、お大事になさって下さいね。
怖いもの見たさでamazonでチラミしてまいりました。
頭を殴られた感じです、イザベルたんのこと…つたない語学力なので意訳が出来ず
かなりストレートな日本語が駆け巡りました。放心状態です。
文学にそんなのアリですか?

こんばんは。
『緑は愛の色』さきほど読み終わりました。
詳しい感想は後ほど書くつもりですが、面白かったですよー。
ただこれ、『アルカサル』のコンスタンシアが好きでイメージを壊されたくないの!という方にはまったくお勧めできませんね(笑
コンスタンシアの書かれよう、全キャラの中で一番酷い(笑)。
ヒロインの恋敵だから仕方ないんですかね。
私はそういうのはあまり気にならないほうで(というか、好きな人物が登場するだけでもありがたい的な…)、この本も
「まあ視点が変われば敵役も変わるよねー」
な感じで読んでいたのですが、そんな私ですら頭に血が上った箇所がありました。
ジョアン・オブ・ケントが
「あの陰気な外国人(コンスタンシア)の変わりにキャサリンがカスティーリャ女王として生まれてくれば良かったのに」
と思う場面。
この部分を読んだ瞬間、コンスタンシアが王冠ゆえに負わされた数々の重荷だとか、王の娘として生まれたために味わってきた辛酸だとかが、走馬燈のごとく頭の中を駆けめぐって、
「変われるもんなら変わってみろーー!」
と叫びたくなりました(涙)
あ、それと、何も知らない妻が娘に俺の愛人と同じ名前をつけちゃったよ!と言ってジョンが笑う場面も…。
ジョン、あなた世界中の主婦を敵に回したわね…とか思いました。
私、主婦じゃないけどさ…。
でも訳者の後書に、チョーサーは義妹よりもコンスタンシアに同情的だったと、また、チョーサー夫人が本当にコンスタンシアの「親友」だったとあるのを読んで、少し慰められる気がしました。
とまあなんか色々書いちゃいましたが、コンスタンシア贔屓を離れて、一つの歴史小説として読めば読み応えあるし面白いですよ。
ただこの時代についての知識があまりないもので、史実と突き合わせて読むという楽しみ方ができなかったのがちょっと残念ですが。
サヴォイ宮襲撃のあたりのエピソードは創作…ですよ…ね?←自信ない
調べてみなければ。。長文失礼しました。

みゆきさま
ご無沙汰してしまいすみません。
>かなりストレートな日本語が駆け巡りました。
同感です…
本来の言葉にどういったニュアンスがこめられているのかまったくわからないので、良くも悪くも取れる…いや、やっぱりこれは意地悪な書き方だよなぁ…と、日本語訳を読んで改めて思いました。
マリアが「淫 乱になりますわっ!」とか言ってたのを思いだしましたよ(涙

Mlle Cさま
こんにちは。ご無沙汰すみませんです。
楽しんで読まれたのなら嬉しいです。
全く思い入れのない人物の話なら私も楽しめたかなーと思います。が、それを差し引いても「おなかいっぱい」な感じでした(笑
登場する人間の数だけ色んな考え方や視点があることはわかりますけどね~。キャサリンのファンにしてみたら、アルカサル外伝の方が噴飯モノなんでしょうけどね(笑
>サヴォイ宮襲撃のあたりのエピソードは創作…ですよ…ね?
↑私も自信ないです(笑
すっかり放置のジョン・オブ・ゴーント記には外伝どおりの記述しかありませんでしたけど…調査結果教えてくださいね~♪
この後のキャサリン母娘をめぐるエピソードは良かったなーと思いますが、それにしてもキャサリンはつくづく母より女だな、と。キャサリンのこの生々しい感じが私は苦手…。私自身が「女を前面に押し出した自分」って無理!だからかもしれません(笑
ごめんよキャサリン。
La petrista del siglo XXI

くみぞう

Author:くみぞう

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