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【外伝】公爵夫人の記

凛々しい顔立ちのコンスタンシアはドン・ペドロによく似ている。
表紙のドン・ペドロに抱かれた姿はアルフォンソとも似ている。
大人になったコンスタンシアには、マリアの柔らかな美しさも加わったように感じられた。
今回の外伝は、公爵夫人コンスタンシアの英国生活をチョーサーに語らせるという手法。
「公爵夫人の書」からの着想。さすが青池先生。
チョーサーは、ニコラ・ド・クレマンジュ(サラディンの日)を優しげにしたようなイケメン!
「ROCK YOU!」でポール・ベタニーが演じた全裸の浮浪者チョーサーのイメージがあったので衝撃だった←間違った刷り込み


スペイン側の資料しか読んでいないため、カタリナがカスティリアに嫁いだ時点からコンスタンシアの暮らしぶりはほとんど知らなかった私。目から鱗がポロポロこぼれる思いだ。
中でも「丸太の騎士」のエピソードは感動的。
遺品とか残ってるんだろうか。丸太の聖遺物箱とか突飛な結婚祝いとか。
フィリパ・チョーサーのことも愛人の親族がいじめに来たと思ってた。ごめんよ、フィリパ。

これってデジャヴ?的なエピソードが見受けられ、コンスタンシアの中にドン・ペドロやマリアが生きているんだなーと嬉し泣き。キャサリン・スウィンフォードと鉢合わせしたコンスタンシアが「愛人と同じところへ下りて行く必要はありません」と矜持を示す場面、アルドンサからドン・ペドロと王妃の威厳を守ったマリアのようだ。
また「こんなところで死ぬわけにはいかない」と剣を握る姿には父親譲りの強い意志と逞しさがあらわれていた。
ランカスター公女フィリパが乳母にジョンとキャサリンのことを聞き、臆することなく父親に進言する姿はまるでベアトリスのよう。誇り高く美しく、心の優しい女性がいっぱいで嬉しい。
したたかで図々しいキャサリンもいいキャラだった。
青池作品は悪女も魅力的。それに比べて男性陣の無神経で頼りないことよ…。

「no hubo amor, sino politica(ノ ウボ アモル シノ ポリティカ)」
と言ってはみても、愛情あふれる家庭で育ったコンスタンシアにとっては、屈辱と寂しさと情けなさでいっぱいだったと思う。
あえてカスティリア語でのこの一言に、どんな思いが込められていたのだろう。

大人になるほど想いは募るばかり
あなたがどんなに素晴らしい男性であったか
今もなお私の心を支配して
勇気と誇りを与えてくれる至上の存在
我が父 カスティリア王 ドン・ペドロ
すべての情熱を捧げて愛する私の永遠の人―


父王を史上の存在、と言い切るコンスタンシア
ちょっとファザコン気味にも思えるけれど、私にはなんとなくこの気持ちがわかる。一般庶民の私でも、早くに亡くした父に対してはいい思い出しか残っていない。苦手だった部分やなんかは昇華してしまったんだと思う。
一生懸命頑張った結果が出たとき、幸せなときには、この姿を見てもらいたかったなとか、喜んでくれたかなと今でも思う。
ジョン・オブ・ゴーントとはカスティリアの王権を取り戻すための同志ではあったけれど、夫婦としての愛は満たされなかった。その諦めにも似た思いが父王を美化することで慰められ、美化されたドン・ペドロの姿がコンスタンシアの心の支えになったのだと思う。
孤独な戦いを続けたコンスタンシア。後にジョンと気持ちが通じ合って良かった。

ジョン・オブ・ゴーントの伝記はぜひ入手したいと思う。
ロドリゲスの最期については調査中なのだが、スペインでもフランスでもなかなか良い情報が得られない。
私もロドリゲス情報を求めて丸太にしがみつきたいと思う。
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tag : チョーサー コンスタンシア 外伝 キャサリン・スウィンフォード

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カタリナが「クリスマスにも招待されずにいる」といったフィリパの言葉から、少年時代のドン・ペドロのエピソードを思い出しました。
コンスタンシアとマリア母太后って立場としてはとても良く似ていると思うのですが(王家の血の誇りに縋った所も含めて)、受ける印象はだいぶ違う。
私怨に走ったか走らなったかの違いでしょうか。
>突飛な結婚祝い
あれ、なんだったんでしょうね?
御神輿のてっぺんについてる鳥のオブジェみたいに見えましたが…(汗)

Mlle Cさま
>少年時代のドン・ペドロのエピソード
私もですよ~(涙
あ、それと「キャサリンを解雇してください」と言われたジョン・オブ・ゴーントの表情に、エンリケとファドリケの初陣で「大事なおかたをお忘れのようでございます」とアルブルケルケに進言されたアルフォンソ11世を思いだしました。
痛いところを突かれるとあーなっちゃうんでしょうか。
>コンスタンシアとマリア母太后
王冠争いを繰り広げたドン・ペドロとエンリケも、一方は王国のために王冠を維持しようとし、他方は自らのために王冠を欲した。コンスタンシアとマリア母太后にも同じような意識の違いがあったのかなと思います。やっぱり私怨、私利私欲の差なんでしょうか…。
>鳥のオブジェ
なんなんでしょうね??ペアの鳥ですよね、きっと。
蓋付きの杯?単なるオブジェ…ってことはないですよね(汗

「公爵夫人の記」待った甲斐大有りの大感動外伝でしたね。皆様も書いておられるように、タッチが少しアルカサル連載時に戻った感が。特に女性の顔の輪郭が面長ではなく丸みをおびて、瞳も大きめに描かれていたのが私的に大満足でした。本編(完結編)は男性キャラ中心なので馬面が多くなるのは致し方ないかな?と思ってたので。
愛人の姉が侍女頭というのはものすごく不快だったろうなぁと心配していましたが(完結編でも『快適とは言えなかった』と触れられていたので)フィリパ・チョーサーが献身的に仕えて「親友」になったのがとても救いがあってよかったです。
たしかにコンスタンシアは重度のファザコンなので(笑)相手がランカスター公でなくても、父親以上に愛せる(それだけ素晴らしい魅力を持った)男性でなければ彼女は満足できなかったろうなぁと思ってました。ましてや深く強く愛しあっていた両親を見て育っているので…。
でもその反面、彼女がランカスター公に不満を叩きつけなかったのは、もしかしたら政略結婚の王妃がありながら、愛妾とその子供達を尊重し続けたドン・ペドロを重ねて見ていたのかもしれませんね。(キャサリンとマリアでは人間の差がありすぎですが)愛人と子供達を大事にする夫を否定するのは父親をも否定してしまうような気持ちが、どこかであったのでは…なんて思いました。
暴動時に剣を持つコンスタンシアの姿は、そのままサンチアゴ騎士団のファドリケ信望者たちに「答えろ。カスティリア王は気が短いぞ」と迫ったドン・ペドロの姿でした。そしてランカスター公が救出に駆けつけ、許しを請う時のコンスタンシアは、ホアナに走った後、ドン・ペドロが尼僧院にこもっていたマリアを迎えに行った時の光景がだぶりましたね。
思えば彼女が「コンスタンシア(貞節)」という名前を名付けられたのは、この時のエピソードからでした。感慨深いですね。
自分のつとめを堂々と果たし終えて、最愛の父の元に還ったコンスタンシア。また幸せだった少女の頃のように「おとーさま!」とまとわりついてイタズラをしてはドン・ペドロを赤面させているのかも?(笑)

Makoさま
登場回数の多い男性陣のうち、リチャード2世はまだ年若く、ランカスター公はひげであごが隠されていたことも馬面度軽減の要因かもしれません(笑
初々しい恋人同士のように妻を愛し、子供たちを深く愛する優しい父親。君主としては誇り高く勇猛果敢で長身の美男。おまけに若くして非業の死を遂げたとなれば、コンスタンシアがファザコンになっても仕方ないですよね~。
イサベルがそうならなかったのは父親似のコンスタンシアがいたからでしょうか。
>愛人と子供達を大事にする夫を否定するのは父親をも否定してしまう
そうですね。自分たちもかつては同じような境遇にいたわけですし。自分たちが王女として扱われるようになってからも、サンチョのことはかわいがってましたもんね。
ドン・ペドロがマリアを迎えに行った時にも反乱が起こっていて、危機を前に2人の絆がより深く結びついたのでしたよね。
キャサリンは実家にいるとの報告に「私は妻の所在を知りたいのだ!!」と叫ぶジョンを見て「今頃彼女の大切さに気がついたか。愚か者め~」と思ってしまいました(笑
ランカスター公夫妻もこれをきっかけにドン・ペドロとマリアのような家庭を築いていったと思いたいです。
>また幸せだった少女の頃のように「おとーさま!」とまとわりついてイタズラをしてはドン・ペドロを赤面させているのかも
ドン・ペドロの前ではコンスタンシアはいつまでもおかっぱ頭の無邪気な少女でいることでしょうね。
うるうる(涙

 こんにちわ~。ご無沙汰しております。
外伝、まだこちらでは入手できておりません~(TTというか、うっかり注文するのを忘れていたという…orz早く読みたいけど、下手すると2~3ヶ月読めないかも…(TTというわけなので、今月一時帰国したときに必死に探して買います!がんばります~~!!
コンスタンシアの活躍話なんですね。たのしみだなあ…vv

う~のすけさま
帰国されるときまで本屋さんに残っていますように~!
ご近所の本屋さんに取り置きしてもらっておくといいかもしれませんね。
異国に渡ったドン・ペドロの娘たちの生活が辛く苦しいばかりでなく、喜びも楽しみもあったことを知ることができましたよ!
ぜひぜひ入手してくださいね~
La petrista del siglo XXI

くみぞう

Author:くみぞう

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